2025年8月25日配信
人流データ+αを用いた企業の商圏分析 by技研商事
登壇者:市川 史祥
技研商事インターナショナル株式会社 執行役員
LBMA Japan 理事
(所属や役職は配信当時の情報となります)
2025年7月14日に開催された、位置情報ビジネスセミナー@近畿大学
本セミナーでは、位置情報データを活用したビジネスの可能性について語られました。
各セミナーで語られた内容を数回に分け、ご紹介します位置情報データを活用したGISの活用について、市川氏が登壇。
同社とKDDIが提供する「KDDI Location Analyzer」を活用した実際の大阪の街、近畿大学の商圏分析の実演や、新店舗オープンに伴い、その施設に誰がどのぐらい、どうやってきていたのか、など実際の商用利用を踏まえた分析を詳しく説明してくれました。
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位置情報データがもたらす顧客理解の深化
講演では、KDDIが提供する位置情報サービス「KDDI Location Analyzer」と技研商事インターナショナルのGISを連携させたデモンストレーションが紹介されました。これにより、特定の場所に訪れた人々の性別、年代、曜日ごとの人流、さらにはリピート率まで瞬時に把握できることが示されました。
例えば、銀座にあるとある商業施設を例に挙げた分析では、地下にオープンしたディスカウントスーパー「オーケーストア」の集客力が検証されました。
・人流の変化: オーケーストアのオープン後、商業施設全体の来訪者数が大幅に増加。特に、ゴールデンウィーク期間中には顕著なピークが見られました。
・客層の変化: 性別・年代別の分析では、これまで銀座の商業施設では少なかった中高年層(ミドルエイジ)の来訪者が大きく増加したことが判明。
この分析から、オーケーストアが単なるスーパーではなく、商業施設全体の客層を多様化させ、新たな層の顧客を呼び込む「集客装置」としての役割を果たしていることが明らかになりました。
より深い洞察を生むためのデータ連携
市川氏は、位置情報データ単体では得られない深い洞察を引き出すために、他のデータとの連携が重要であることを強調しました。
・公的統計データとの連携:
居住地の公的統計データと位置情報を組み合わせることで、来訪者の家族構成や世帯年収を推定。銀座の事例では、単身者やファミリー層、さらには高所得者層が多く来訪していることが分かりました。
・消費傾向の分析:
総務省の家計調査データなどを基に、来訪者の消費傾向を分析。銀座のオーケーストアに来る人々は、「出来上がった調理食品」や「外食」を好む傾向があり、交通費や教養娯楽費を惜しまない、生活に余裕のある層であることが示唆されました。
・ジオデモグラフィクスデータとの連携:
居住地域の特性分析: 日本全国の地域を36のタイプに分類した「ジオデモグラフィクスデータ」と位置情報を連携。銀座の商業施設を訪れた人々が住んでいるエリアは、「都心のセレブ」や「高級住宅街」といった、高所得者層が居住する地域である傾向が明らかになりました。
まとめ
市川氏の講演は、位置情報データが単なる人流の可視化にとどまらず、顧客のライフスタイル、消費行動、そして潜在的なニーズを詳細に分析するための強力なツールであることを示しました。
これにより企業は、以下のようなメリットを得られます。
・ビジネスの解像度向上: 顧客の「誰が、どこから、なぜ来たのか」を多角的に理解。
・プロモーションの最適化: ターゲットに合わせた効果的な販促戦略を立案。
・ビジネス改善: 店舗の運営改善や新サービスの開発に活かせる。
位置情報データと多様なデータを組み合わせることで、顧客理解の解像度を高め、データに基づいた精度の高いマーケティング施策を実現することが、これからの企業の成長に不可欠となるでしょう。
