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2026年6月8日配信

AI時代のGIS・空間情報活用と社会インフラDX
 

村上 佳史 アドソル日進(株) 執行役員 オファリング・グリッド統括部 兼)GIS・イノベーション事業部

(所属や役職は配信当時の情報となります)

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創業50周年を迎えたアドソル日進から、社会インフラ・GIS/空間情報ビジネスを推進する村上氏が登場。コロナ禍以降に高まった人流・位置情報データ活用の変化、競争領域と協調領域の課題、AI時代におけるOTとITをつなぐ価値、さらにBCP・防災・スマートシティへの展望について伺います。

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アドソル日進のアイデンティティと社会インフラへの使命感

 

アドソル日進は1976年に創業し、2026年3月に50周年を迎えた老舗のシステムインテグレーターです。同社のパーパスは「社会インフラへの貢献」であり、電力などの重要インフラを支えるシステムのコンサルティングからエンジニアリングまでを一貫して提供しています。

 


コロナ禍を経て変容した空間情報の価値と社会的認知

 

2020年のコロナ禍を境に、以前は専門用語であった「人流」などの言葉がニュース等で日常的に使われるようになり、空間情報の重要性が広く認知されました。かつての位置情報やGISデータは、基幹システムの外側にある付加的な情報として扱われることが一般的でした。しかし現在では、人流データや衛星データ、ドローンデータなどの多様な空間情報が、ビジネスの根幹を支えるデータとしての地位を確立しつつあります。世の中のトレンドは、こうしたデータをいかに活用して「社会の役に立つインフラ」を構築するかにシフトしています。
 

 

生成AIの台頭と基幹システムへのデータ統合

 

生成AI時代の到来により、膨大な空間データから価値を生み出す「データサイエンティスト」的な視点での分析が不可欠となっています 。顧客からの要望も変化しており、人流や位置情報を基幹システムの中核に統合し、DXを推進する動きが加速しています 。単なる外部データとしての利用ではなく、システムの中心に空間情報を据えることで、価値創出型のビジネスモデルへの変革が求められています 。アドソル日進は現場の最前線で、この大きなパラダイムシフトを肌で感じながらソリューションを提供しています。
 

 

OT(制御技術)とITの融合:エッジ(H)層の重要性

アドソル日進の最大の強みの一つは、長年のインフラ支援で培ったOT(オペレーションテクノロジー:制御技術)領域の深い知識です 。現場の業務やデータの特性を理解しているからこそ、それをIT領域へ持ち上げて分析する際の最適なアプローチを提案できます 。鉄道の運行状況といった極めて機密性の高いOTデータが、即座にクラウド上のAIに統合されるにはまだ時間がかかると予測されます。同社は、ITとOTの中間に位置する「H(エッジ)層」において、空間情報の思想を取り入れたカンフル剤的なソリューションを提供することを目指しています。


 

協調と共創:日本のデータ利活用における課題解決

データ利活用において、共通の基盤となる「協調領域」と、各社の強みを出す「共創領域」のバランスが重要であると考えています。日本全体の課題として、企画はあっても実際のデータが入りにくいという状況があり、これを改善していく必要があります。アドソル日進は、エンジンメーカーやデータベンダーなどの「共創パートナー」と連携し、一社では完結できない課題解決に挑戦しています。
 

 

真の価値創造:効率化の先にある「行動変容」

 

GISや位置情報の活用により、例えば10時間かかっていた作業を7時間に短縮することは比較的容易に達成可能です。しかし、同社が重視しているのは「短縮された3時間を何に使うか」という、効率化の先にある価値の提案です。単なるコスト削減ではなく、顧客の行動変容を促し、新たな価値を創出することこそが、同社の目指すソリューションの姿です。

機密情報の保護とAI利活用の両立戦略

 

重要インフラを扱う性質上、機密情報の漏洩を防ぎつつAIを活用したいという顧客の強い要望があります。業務に精通したエンジニアが、限られた領域内でセキュアな仕組みを構築し、外部と安全に通信できるネットワークを敷設することが重要です。ビッグテックには困難な、個別の現場業務に深く入り込んだ「安心・安全」なビジネスモデルの提供が、同社の重要なポジショニングとなっています。
 

BCP(事業継続計画)からサステナビリティへの転換

 

気候変動や災害の激甚化が進む中、インフラ事業者のレジリエンス(回復力)強化は急務です。村上氏は、発災後に動くのではなく「平常時にいかに準備を整えておくか」が、迅速な行動と早期復旧の鍵であると説いています。日本では準備にコストをかけることへの抵抗感が強い傾向にありますが、予測困難な現代においては、この意識改革が不可欠です。単なる事業継続(BCP)を超え、企業の持続可能性(サステナビリティ)を高めるための戦略的準備へと、トレンドは移行しています。具体的には、GIS上で気象情報と従業員の人流データを多角的に分析し、発災時の動きを事前にシミュレーションしておくなどのアプローチが有効です。


まとめ

 

アドソル日進が目指す究極のゴールは、デジタル化された空間における「スマートシティ」の構築です。社会インフラを支える企業として、様々なパートナーと共にエコシステムの中心に立ち、新たな価値を創出し続けたいと考えています。50周年を一つの節目とし、これからも「社会に貢献する」というパーパスを胸に、AIと空間情報を駆使して次世代のインフラDXを牽引していく決意です。

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