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2024年1月29日配信 桐谷 直毅 LocationMind(株) 代表取締役 CEO

 

世界最大の位置情報分析企業になるために

東京大学 柴崎亮介研究室発の技術ベンチャーとして、2019年に設立。研究室が法人化した、ドクター、ポスドクが20名以上在籍する稀有なベンチャーであり、地理空間データをAI・宇宙技術などの活用により、様々な事業向けに展開している。昨今課題となっているディープフェイクなどの社会問題に対して、セキュリティ技術で答えを出すことで、ドローン・自動運転・自動車などの正確性が求められる事業の社会実装を助ける。その圧倒的な技術力で、世界最大の位置情報分析企業になること、日本から海外に通用する事業を展開すること、など今後の展望を含めて語って頂きました。

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LocationMindは、東京大学の柴崎亮介先生の技術を基に、研究室がベンチャー化した企業です。会社はデータサイエンティストが集まっており、世界中の人流、自動車流、船舶流などのビッグデータを分析し、その情報を提供しています。また、同社は宇宙事業も展開しており、地情報のセキュリティに関する最先端の人工衛星技術を提供しています。

この会社の創業は、2018年に柴崎先生との初めての出会いに端を発します。当時、私はベンチャーキャピタルの一員であり、柴崎先生がまだベンチャーを立ち上げた経験がなかった時期でした。しかし、柴崎先生の技術に興味を持ち、一緒にベンチャーを立ち上げることを決意しました。

その後、1年間の準備期間を経て、LocationMindが設立されました。私は創業社長として、会社の運営を担当しています。この過程で、私はベンチャーキャピタルのパートナーのポジションを離れ、事業家としての道を歩むことになりました。

ベンチャーの世界は、華やかな一面もあれば、泥臭い現実もあります。しかし、自分の手で何かを作り上げる喜びは格別です。この経験は、他では得られないものです。

LocationMindの特徴は、技術力の高さにあります。この点が会社を他と差別化しています。また、研究室出身のメンバーが、顧客とのやり取りやビジネス提案にも積極的に参加しています。これにより、新しいアイデアや提案が生まれる環境が整っています。

一方で、研究室出身者が事業を展開する過程では、社会人としての経験やビジネススキルの向上が必要です。この点において、チーム全体が努力して成長してきました。約5年の歳月を経て、ようやく強力なチームが形成されたと感じています。

宇宙事業について、私たちは東京大学で開発した信号認証技術に関連する特許を保有しています。この技術は、一般的に位置情報はGPSから得られると考えられていますが、GPSの利用は広く開放されています。そのため、攻撃者がどのように攻撃すればよいかを研究しやすくなるという欠点があります。現在、世界中で位置情報のディープフェイクや位置情報の不正が増加しており、これは無人化技術や自動化技術、AIなどに大きな影響を与えます。位置情報の正確性の検証が重要であり、我々はそのための技術を開発しています。この技術を使用すると、位置情報がHTTPSによる認証と同様に検証できます。

このような技術は、まず、宇宙産業に関連していますが、自動運転のような分野でも位置情報は重要です。しかし、位置情報が不正確であると、自動運転などの技術の信頼性が損なわれます。そのため、この技術は自動運転車やドローンなどの分野で活用されています。また、軍事産業や人命に関わる分野、国家機密に関連する分野でも重要性が高まっています。

自動運転技術の普及については、現在の技術や信頼性に対する懸念が進展を遅らせている可能性があります。2024年問題やワークフォースの変化など、労働力の変化も考慮に入れる必要があります。ロケーションマインドは、これらの課題に対応するソリューションの提供を検討しています。

さらに、AIの分野においても、NTTドコモや日野自動車などと連携し、ビッグデータの分析や事業化を行っています。特に、日本全体のデータを活用した位置情報分析は、日本においてまだ先駆的な取り組みであり、多岐にわたる産業に影響を与える可能性があります。ロケーションマインドは、世界最大の位置情報分析企業に成長し、日本から海外に展開していくことを目指しています。

これらの取り組みについて、今後も積極的に事業化を進めていく予定です。そして、顧客やパートナーとの連携を強化し、位置情報と人の活動に関連する様々な課題に対応していきます。

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