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2024年2月26日配信

(株)エム・データ データマーケティング部 田口博康 執行役/西尾真樹 アカウントマネージャー

 

テレビメタデータx無限の可能性

2006年に設立されたエム・データは、今は120名のデータ入力スペシャリストを抱える、TVメタデータプロバイダーとして確固たるポジションを確立しました。番組データ・TV-CMデータ・(番組で紹介された)商品データ・スポット(店・宿や観光施設など)データからなるTVメタデータは、AIや自動書き起こしだけに頼らず、人の手で作成されることで、その精度を担保しています。世の中がデジタルシフトしていくにつれ、その利用範囲がどんどん広がり、人流データを始めたとした他のデータと組み合わせることで、様々な業界の効果測定、需要予測など無限の組み合わせを予感させます。本インタビューでは、TVメタデータと、その活用実事例についてわかりやすく解説頂くと共に、様々な可能性についてブレストしました。

 

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株式会社エム・データは、2006年に設立され、今年で19期目を迎える企業です。同社はテレビの放送内容をテキストデータで記録した「TVメタデータ」と呼ばれるデータベースを生成し、世の中やビジネスをより面白くすることを目指しています。

 

TVメタデータは大きく4種類に分類されます。第一に番組の放送内容を各コーナー単位まで分解し、露出した企業や商品、人物、地名などの固有名詞を抽出し、サマライズした「番組データ」、第二にテレビで放送されるすべての企業や商品のCMを秒単位で記録した「TV-CMデータ」があります。そして、第三に番組の中で紹介された「商品」に関するデータと、第四に番組の中で紹介された飲食店や宿泊施設、観光地などの「スポット」に関するデータベースが存在します。

 

さらに、出演していたタレントや露出していた企業などのデータを別途マスターデータとして構築し、TVメタデータと紐付けて運用しています。

 

エム・データの特徴的な点は、データの収集方法です。システムによる自動収集だけではなく、人海戦術を採用しています。茨城県水戸市にあるデータ入力センターでは、100人以上のオペレーターがテレビにかじりつき、24時間365日の体制で放送内容をテキストデータ化しています。

 

エム・データは、テレビ業界や広告業界などさまざまな分野で重要な情報を提供し、顧客のニーズに応えるために日々努力しています。

 

TVメタデータは、テレビ放送コンテンツを細かく分析し、商品や企業の露出情報を抽出することができます。その活用事例の一つとして、位置情報や人流データとの組み合わせが挙げられます。

 

例えば、当社はLBMAの会員企業であるunerryさんやクロスロケーションズさんとのコラボレーションを通じて、TVメタデータと人流データの掛け合わせを実現しています。この取り組みにより、番組露出やCMによる来店効果を分析できるようになりました。

 

具体的には、テレビの番組中に企業や店舗、商品が紹介された際の露出情報をTVメタデータで収集し、それに加えて人流データを組み合わせることで、テレビ露出がどれだけの人々の行動に影響を与えているかを評価できます。これにより、テレビ広告や番組の露出効果を客観的に分析し、マーケティング戦略に役立てることができます。

 

エム・データの取り組みは、従来の視聴分析やマーケティング活動に新たな視点をもたらし、テレビ広告の効果測定やプランニングに貢献しています。

 

以前、コンビニエンスストアの番組露出とCMの出稿情報に人流データを組み合わせた研究を行いました。この研究から得られた結果は興味深く、テレビ番組の中でコンビニのスイーツ特集や新商品発表などの露出があった場合、人流への影響度が高い傾向が見られました。

 

また、家電芸人が番組内で家電製品をプレゼンした際は、放送後の週末に近隣の家電量販店に人流が増加する傾向が見られました。このようにデータを組み合わせることで、テレビの露出効果をより具体的に可視化できます。

 

このモデルを、外食チェーン、スーパー・コンビニなどの小売店、携帯ショップ、保険ショップ、カーディーラー、アミューズメント施設など、さまざまな業界で活用し、さらに、テレビ番組でのイベント紹介や商品のPR効果分析にも応用できます。

 

最近では、リテールメディアとの連携も進み、テレビのトレンド情報をリテールメディアのコンテンツとして活用する取り組みも進んでいます。さらに、小売業ではPOSデータや出荷データといったデータと組み合わせて需要予測を行う取り組みも行われています。

 

また、オルタナティブデータとしてもテレビと人流データの組み合わせが注目され、金融業界では株価変動のシグナル検知、不動産業界では賃料予測、自治体ではエリアマーケティングなど、さまざまな分野で活用されています。

 

今後もテレビと人流データの掛け合わせによるさまざまな取り組みが期待されております。

 

 

現在、テレビの発信内容の効果を数値化・可視化することに取り組んでいます。これにより、テレビの影響力が再評価されています。

 

一般的には若年層がテレビから離れ、ストリーミングサービスやYouTubeなどのプラットフォームに移行しているとされていますが、実際には若年層もネットを通じテレビコンテンツを消費している傾向があります。このような変化に対応し、テレビの枠にとらわれず、ネット上の動画コンテンツも含めたデータの整備と効果分析に注力しています。

 

エム・データの今後のビジネス展開と展望について、多岐にわたる可能性を模索しています。これまでの、広告・マーケティング領域でのデータ活用に加え、エンターテインメント分野、金融でのオルタナティブデータ、テレビ・デジタル・リテールメディアを横断するコンテンツデータ、医療系データや不動産価値やトレンドデータとの組み合わせによる市場開拓を進めています。

 

また、さまざまなデータとの連携によるパートナー企業とのWin-Winな関係を目指しています。特に、人流データとのコラボレーションに力を入れ、新たな取り組みを始めています。

位置情報や人流データなどを組み合わせ、新たなデータ価値を創出し、データで世の中やビジネスを面白くしていきます。

 

エム・データでは、コラボレーションパートナーと積極的な連係を目指しています。今後も新たなパートナーシップの構築やサービスの拡大を通じて、さらなる成長を目指してまいります。

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