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2026年3月30日配信

IPアドレスから会社がわかる?「どこどこJP」とIPジオロケーションの仕組みを解説!

 

登壇:小針将史(株)Geolocation Technology 技術開発部 部長

(所属や役職は配信当時の情報となります)

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IPアドレスは「ネット上の住所」。ジオロケーションテクノロジー(ジオロケ)は、そのIPから「どの地域・どの会社(組織)っぽいアクセスか」を推定できるデータを提供しています。代表サービス「どこどこJP」はAPIやタグで使えて、都道府県・組織名など100以上の属性を返すのが特徴。主にB2Bマーケティングで、Webに来た企業を把握してMAツールと連携し、広告配信や営業アプローチに活用されています。さらに動画配信の「国内限定」など、国判定の裏側でも使われる例も。2024年10月には新データ「SURFPOINT B2B2」を投入し、判定できる組織数を約20万→約80万弱へ拡大。位置情報×IPの分析で精度とカバー範囲を強化中。今後は「モバイル回線は精度が弱い」という課題を乗り越えるため、データ収集と分析を進め、次世代のIPジオロケーションを目指していきます。

 

 

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インターネット上の住所であるIPアドレスの仕組みと役割

IPアドレスは、よく「インターネット上の住所」に例えられます。ウェブブラウザで特定のサイトにアクセスする際、裏側ではドメイン名がIPアドレスに変換され、通信が行われています。このIPアドレスを分析することで、アクセス元がどの地域であるか、あるいはどの組織からのアクセスであるかを判別するのが「IPジオロケーション」という技術です。

インターネットプロバイダーはそれぞれのネットワークにIPアドレスを割り当てて管理していますが、株式会社ジオロケーションテクノロジーでは、これらの割り当て状況を詳細に調査・分析しています。これにより、特定のIPアドレスがどの地域のユーザーによって使われているかを判定し、ビジネスに活用できるデータとして提供することが可能になります。また、IPアドレスには「グローバルIP」や、固定的に割り当てられる「スタティックIP(固定IP)」、変動する「動的IP」といった種類があり、ユーザーの契約形態によってその性質は異なりますが、同社はそれらの膨大なデータを収集し、精度を高めています。

IPv4からIPv6への移行状況とその背景にある課題

 

現在、IPアドレスの世界では「IPv4」から「IPv6」への移行が議論されています。従来のIPv4は約42億個というアドレス数の制限があり、世界人口やデバイスの普及に対して不足しています。これに対し、IPv6は128ビットの桁数を持ち、実質的に無限に近いアドレスを提供することが可能です。

日本国内でもIPv6の利用率は半数を超えてきていますが、完全に移行するには至っていません。その大きな要因は、コンテンツ配信側がIPv6に対応するためのインフラ改修コストにあります。利用者側にとってはIPv4でもIPv6でも通信ができれば大きな違いを感じにくいため、配信側がコストをかけてまで移行を急ぐ動機が薄いという現状があります。しかし、セキュリティ面での優位性なども含め、次世代のネットワーク規格としてIPv6の普及は今後も注視すべきトピックです。

B2Bマーケティングを加速させる「どこどこJP」の活用事例

株式会社ジオロケーションテクノロジーの主力サービスの一つが、API形式でデータを提供する「どこどこJP」です。このサービスは、ウェブサイトにアクセスしてきたユーザーのIPアドレスから、その所属組織や地域などの100以上の属性をリアルタイムで返却します。

最も多く活用されている分野はB2Bマーケティングです。例えば、自社サイトにアクセスした企業を特定することで、問い合わせが来る前の段階でターゲット企業を把握し、戦略的な広告配信や営業アプローチを行うことが可能になります。また、動画配信サービスなどのB2C領域でも、ライセンス契約に基づき「国内限定配信」を実現するための判定技術として広く採用されています。IPアドレスによる地域判定は、GPSとは異なる視点からユーザーの属性を捉えることができるため、多重の防御や精緻なターゲット設定に有効です。

最新データベース「SURFPOINT B2B2」によるデータの進化とAI活用

 

2023年10月、同社は最新のデータベース「SURFPOINT B2B2」をリリースしました。これにより、IPアドレスから特定できる組織数が従来の約20万件から約80万件へと大幅に増加しました。

この飛躍的な進化を支えているのが、機械学習をはじめとするAI技術と、位置情報データの組み合わせです。単なるIPアドレスの調査だけでなく、緯度経度情報とIPアドレスを突き合わせて分析することで、そのIPアドレスがどの地点で利用されたかをより深く解析できるようになりました。例えば、特定の施設周辺で利用されたIPアドレスを特定することで、特定の場所を訪れた層に向けた情報配信といった、より高度なマーケティングが可能になります。同社は長年培ってきた人力による精緻な調査にAIによる自動化を融合させ、データの網羅性と精度の両立を図っています。

モバイル通信の壁を越える次世代IPジオロケーションの展望

今後の展望として、小針氏は「モバイル通信(キャリア通信)における位置特定精度の向上」を挙げました。従来、移動体通信であるモバイルキャリアのIPアドレスは、広域をカバーするため詳細な位置特定が難しいとされてきました。しかし、データの収集と分析をさらに深めることで、この限界を突破できる可能性が見えてきています。

IPジオロケーションの「モバイルでは無理」という固定観念を払拭し、次世代型のIPサービスを構築することが同社の次なる目標です。インターネットの通信基盤であるIPアドレスを軸に、位置情報の新たな価値を創造し続ける株式会社ジオロケーションテクノロジーの取り組みは、これからのデジタルマーケティングや情報セキュリティのあり方を大きく変えていくことが期待されます。

まとめ

 

今回の対談を通じて、IPアドレスが単なる通信のための符号ではなく、ビジネスにおける強力なインテリジェンスの源泉であることが明確になりました。株式会社ジオロケーションテクノロジーが提供するIPジオロケーション技術は、B2Bマーケティングにおける企業特定から、動画配信のエリア制御、そして最新のAIを活用した大規模な組織データベースの構築まで、幅広い領域で不可欠なインフラとなっています。特に最新のSURFPOINT B2B2による組織情報の拡充や、モバイル通信領域への新たな挑戦は、位置情報ビジネスの可能性をさらに広げるものです。IPアドレスというインターネットの根幹技術を深く掘り下げ、そこに地域や組織という価値を付加していく同社の姿勢は、データドリブンな現代社会において、より一層重要性を増していくでしょう。

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