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2025年11月24日配信

位置情報とAIでみんなの街を守るポイ活アプリ「ぴよクエ」 by (株)データインサイト

登壇者:中西 義樹 (株)データインサイト代表取締役/山元 陸 取締役COO

(所属や役職は配信当時の情報となります)

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データインサイトの地域保護サービス「ピオクエ」は、2021年から開始された写真と位置情報を使用したインフラ設備の点検や自然保護支援システム。ユーザーはゲーム感覚でクエストをこなすことで、ポイントを稼ぐゲームとして参加することで、地域の課題を解決する。
東北電力との協力事例を含め、今後のインフラ企業や自治体との協力計画について語って頂きました。

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「ピヨクエ」のコンセプトと仕組み:日常を地域貢献へ

 

「ピヨクエ」は、住民の力を結集して街のインフラや自然を守ることを目的としたモバイルアプリサービスです。「ひよこ」のようなキャラクターが「クエスト」という名のミッションをこなすことで成長するというゲーム的な要素を持たせつつ、その実態は、ユーザーがスマートフォンで特定の場所の写真を撮影し、位置情報とともに投稿する仕組みです。

この仕組みを活用することで、従来は自治体やインフラ企業が人件費と時間をかけて行っていた設備点検や自然調査を、一般住民が手軽に代行可能になります。企業や自治体側は保守点検コストの最小化とスピードアップを実現でき、ユーザー側はミッション達成によりAmazonギフト券などに交換可能なポイントを獲得できるという、「全体最適」を目指したサービス設計となっています。
 

インフラ老朽化と人口減少に対応:具体的な活用事例

 

「ピヨクエ」は2021年にサービスを開始し、特に人口減少とインフラ老朽化という社会課題への対応策として注目されています。

具体的な活用事例として、東北電力との取り組みが挙げられます。平時における電柱の不具合(カラスの巣、ツタの絡まりなど)を一般住民が発見し、写真投稿することで、電力会社側の点検・保守業務を効率化しています。この取り組みでは、緊急性の高い不具合の発見者に対し高額のポイントが付与されるなど、インセンティブを伴うゲーミフィケーションを通じて住民の参加意欲を高めています。中には2ヶ月間で1,500本以上の電柱を撮影したユーザーも存在するなど、高い成果を上げています。
 

独自のGIS技術と今後の展開

 

「ピヨクエ」の技術的な優位性は、裏側で稼働するGIS(地理情報システム)にあります。投稿された位置情報付きのデータは地図上に可視化され、企業・自治体側はそれを画面上で点検・判断し、現地へ行くべきかを効率的に決定できます。

この「地図上でクエストを表示し、写真を投稿する仕組み」は、同社が特許を保有しており、この領域におけるパイオニアとしての地位を確立しています。

今後は、インフラ点検のみならず、地域や街の回遊性向上、スタンプラリーといった地域活性化施策、自然公園での自然調査など、「街を楽しみ、守る」多様なユースケースへの展開が確認されています。既に電力、鉄道といったインフラ企業に加え、自治体、街づくり関係の設計会社、ゼネコンなどからも注目を集めており、平時の楽しみと有事の際の助け合いにつながるプラットフォーム構築を目指しています。

まとめ

 

データインサイトの「ピヨクエ」は、位置情報とゲーミフィケーション、AI技術を組み合わせることで、インフラ老朽化・人口減少時代の地域課題解決に貢献する画期的な住民参加型プラットフォームです。高精度なPOIデータが求められる社会において、住民一人ひとりの日常的な行動を地域の保守点検や環境保全に結びつける本サービスは、自治体やインフラ企業にとってコスト削減と危機対応能力強化の鍵となります。今後、観光や教育など幅広い分野での競争(協業)を通じて、さらなる社会実装が期待されます。

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