2025年8月4日配信
デジタル時代の位置情報データ活用術:ONE COMPATHが描く未来のマーケティング byONE COMPATH
代表取締役社長CEO 早川 礼
(所属や役職は配信当時の情報となります)
日常生活に欠かせない情報ツールを長年提供してきた、株式会社ONE COMPATH(ワンコンパス)。同社の早川社長をお招きしたポッドキャスト「ロケーション・ウィークリー・ジャパン」では、長年培ってきた位置情報データと、新たな技術であるAIを組み合わせることで、いかにユーザーと企業双方に価値を提供しているか、その戦略と展望が語られました。
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デジタル時代の位置情報データ活用術:ONE COMPATHが描く未来のマーケティング
ONE COMPATHは、日常生活をより便利でワクワクするものにすることを使命に掲げ、多様な自社サービスを展開しています。代表的なサービスは以下の3つです。
・Shufoo!(シュフー): 24年以上の歴史を持つ日本最大級の電子チラシサービス。新聞購読者が減少する中でも、チラシを見たいというユーザーの強いニーズに応え続けています。最近では、紙のチラシにはないクーポン情報やニッチな特売情報なども配信され、買い物の前に情報収集をするユーザーに広く利用されています。
マピオン: 約30年の歴史を持つ地図サービス。現在は、企業向けのソリューションに注力しており、メーカーが自社商品の取り扱い店舗をユーザーに案内できる「買えるお店マップ」などを提供しています。メーカーが卸売業者経由で商品を販売する際、最終的な販売店舗を把握しきれないという課題を解決する、画期的なサービスです。
・aruku&(あるくと): 8年目を迎え、最も成長しているウォーキングアプリ。健康への関心が低い人でも「歩くとポイントが貯まる」「キャラクターを集められる」といったゲーム性を組み合わせることで、楽しみながらウォーキングを習慣化させる「ゲーミフィケーション」を導入しています。チームで歩く機能や企業単位での参加機能も提供しており、ウェルビーイング時代に合わせた新しい価値を生み出しています。
・デジタルチラシの進化とマピオンの革新的な取り組み
ポッドキャストでは、各サービスの具体的な進化についても詳しく語られました。
「Shufoo!」は単なる紙のチラシのスキャン画像ではなく、デジタルならではの多様なコンテンツ配信へと進化を遂げています。店頭のサイネージなど、他のメディアとコンテンツを共有することで、より効率的にユーザーとの接点を作り出しています。
また、「マピオン」が提供する「買えるお店マップ」は、メーカーから提供される出荷情報を基に、近くの店舗で目的の商品が買える場所を案内するユニークなサービスです。メーカーが抱える「自社商品がどこに売られているか分からない」という長年の課題に対して、データとテクノロジーで解決策を提示しています。
データとAIで実現する次世代マーケティング
ONE COMPATHは、これらのサービスで蓄積されたデータを活用し、次世代のマーケティング事業へと舵を切っています。
特に注力しているのが、「Shufoo!」のビジットトラッキングツールです。このツールは、GPSデータを用いて「どのチラシを見て、どんな人が、いつ、どのエリアからお店に来たか」を可視化します。これにより、30代女性に響くチラシや、新規顧客の来店につながるチラシをデータに基づいて分析できます。
さらに、ONE COMPATHはここにAIを組み合わせることで、「響くチラシ」をモデル化し、チラシの下書きや内容を自動生成するサービス開発を進めているとのこと。この取り組みは、小売店の販促活動の最適化だけでなく、ユーザー一人ひとりの好みに合わせた情報提供を可能にし、さらなるパーソナライズ化に繋がることが期待されます。
まとめ
ONE COMPATHは、「Shufoo!」「マピオン」「aruku&」といった長年の実績を持つサービスで培ってきた膨大な位置情報データや行動データを強みとしています。今後は、これらの独自データとAIを掛け合わせることで、単なる「インターネットサービス」から脱却し、「AIマーケティング事業」へとビジネスモデルを変革していく方針です。
この変革は、ユーザーに対してよりパーソナライズされた情報や体験を提供し、企業に対しては、より効率的で効果的なマーケティングを可能にするものです。位置情報データの価値を最大限に引き出すONE COMPATHの挑戦は、今後のデジタルマーケティングのあり方を大きく変える可能性を秘めています。