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2025年6月9日配信

GPS-LTEMを活用したBtoBソリューション「GeoPita」 by IoTBank

永山 武史
IoT事業本部 営業統括部 チームリーダー

(所属や役職は配信当時の情報となります)

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位置情報データビジネスを網羅するツール「位置情報データソリューションカタログ」
https://www.lbmajapan.com/catalog
会員企業の多岐にわたるサービスをLBMA Japanサイトにて掲載しています。
デバイス開発・OEM開発・ソリューション開発までを一貫で手掛けるIoTBank。

GPS-LTEMを活用した様々なBtoBソリューションを展開しています。そのコアとなるサービス「GeoPita」。

GPSトラッカーを利用して「ヒト」「モノ」の屋内屋外の位置や稼働状況を一括管理できるソリューションについて、また各企業へのOEM・カスタマイズの方法などについて詳しくお話頂きました。

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通信デバイス開発のDNAを活かし、IoTソリューションに特化

 

IoTBankは、2019年に設立された比較的新しい企業ですが、そのルーツは2009年設立のフューチャーモデル株式会社にあります。フューチャーモデル社では、SIMフリーのカードサイズ携帯電話やAI翻訳機など、独自の通信デバイスをスクラッチから開発。このハードウェア開発・製造ノウハウこそがIoTBankの大きな強みとなっています。

「IoT分野に特化したメーカーになる」という目標を掲げ、デバイス開発からシステム構築、運用サポートまで一気通貫の体制を構築。設立当初からGPSデバイスを用いた見守りサービスを手掛け、屋外での位置情報取得(GPS、Wi-Fi)とLTE-Mなどの通信技術を組み合わせたソリューションを得意としています。長山氏自身はファッション業界から転身というユニークな経歴を持ちながら、法人向けビジネスで培った課題解決への深い洞察力で、顧客の多様なニーズに応えています。

主力GPSトラッカー「ジオピタ」:その強みは開発力と“徹底した顧客志向”

 

IoTBankの主力製品である小型GPSトラッカー「ジオピタ」は、元々高性能な子供見守り用デバイスを法人向けに展開したものです。手のひらサイズながら、Webアプリケーション上で最大1000台のデバイスを一括管理でき、履歴の追跡やジオフェンス機能などを備えています。その強みは多岐にわたります。
 

・柔軟なデバイス開発・OEM対応力:

大手メーカーでは対応が難しい小ロットからのデバイス開発や、顧客ブランドでのOEM製造にも対応。コストを抑えつつ、比較的短納期で提供できる体制が強みです。
既存システムとのスムーズな連携: 「ジオピタ」は専用ダッシュボードと共に提供されますが、約130社に上る導入実績(2025年5月時点)のうち、半数近くは顧客が既に運用している管理コンソールや業務システムへ位置情報データを連携させる形での導入です。この「つなぎ込み」のノウハウが豊富です。


・SaaSでありながら徹底したカスタマイズ志向:
一般的なSaaSモデルでは難しいとされる個別カスタマイズに積極的に対応。「こういう機能が欲しい」という顧客の声に真摯に耳を傾け、専用の機能改修やアプリケーション開発を行います。また、多くの顧客から寄せられる共通の要望は、標準機能としてバージョンアップにも反映させています。


・多様な業界、用途への対応力:

特定の業界に特化せず、汎用性の高い機能設計を心掛けているため、建設業、物流業、警備業といった法人利用から、高齢者や子供の見守り、さらには車両・重機の動態管理、そして特筆すべきは小型荷物や鍵といった「モノ」の追跡にも広く活用されています。実際に、導入事例の約1/3はモノが対象だと言います。

・現場の環境に応じた耐久性:

日常生活防水レベルの製品に加え、より過酷な屋外環境での使用も想定したIP67準拠の防水防塵モデルもラインナップしています。

 

・「位置情報+α」へ:

ジオピタの進化とバイタルセンシングへの挑戦
IoTBankは、「ジオピタ」を単なる位置情報端末としてだけでなく、様々なセンサーデータを収集・送信するゲートウェイとしての活用も見据えています。「位置情報プラス他のセンシングデータ」を組み合わせることで、より付加価値の高いソリューションが生まれると考えているからです。

その具体的な取り組みの一つが、バイタルセンシング分野への注力です。高齢者施設向けの見守りサービス「リッドケア」では、手首や足首に装着するバイタルセンシングバンドから心拍や体温などのデータを自動計測し、施設側で一括管理するシステムの開発を進めており、現在多数の実証実験を行っています。将来的には、建設現場や土木作業現場における作業員の安全管理(熱中症対策など)への応用も期待されています。

また、GPS見守りサービス「マモサーチ」については、ソフトバンクグループのBBSS株式会社へ販売権を移管し、IoTBankはデバイス製造と運用サポートを担う形で連携を継続しています。

 

社会課題への貢献と、IoT専業メーカーとしてのさらなる飛躍

 

近年、物流業界における「2024年問題」に代表されるように、多くの産業で労働力不足や業務効率化が喫緊の課題となっています。こうした背景から、車両の配送状況管理など、IoTBankのソリューションへの引き合いは増加傾向にあり、実際の導入事例も増えています。

​永山氏は今後の展望として、「位置情報サービスを中核としながらも、バイタルセンシングをはじめとする他のIoTデバイス分野へも積極的に事業を拡大し、IoT分野の専業メーカーとしての地位をより強固なものにしていきたい」と語ります。

 

 

◾️まとめ

 

株式会社IoTBankは、通信デバイス開発で培ったハードウェアの知見と、顧客一人ひとりの声に耳を傾ける真摯な姿勢を両輪に、現場の課題解決に貢献するIoTソリューションを提供しています。主力製品「ジオピタ」の柔軟なカスタマイズ性と拡張性は、多様な業界のニーズに応えるポテンシャルを秘めており、今後は「位置情報+α」の価値提供を通じて、さらなる成長を遂げることが期待されます。

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