2025年6月30日配信
pinable〜位置情報広告の新たな挑戦〜 by AdvertisementMind(株)
冨永衛吾 (Senior Project Manager)
(所属や役職は配信当時の情報となります)
今回は、東京大学研究室発のスタートアップ「ロケーションマインド」の100%子会社として、2024年12月に設立されたばかりの「アドバタイズメントマインド株式会社」の富永さんをゲストにお迎えしました。
同社は、位置情報データを活用した広告事業を展開しており、交通インフラや商業施設などに設置したビーコンによって消費者のオフライン行動履歴や興味・関心を取得し、アプリ向けSDK・DMP・位置情報ターゲティング広告配信(DSP連携)などのサービスに活用するトータルマーケティングプラットフォーム「pinable(ピナブル)」を提供しています。
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pinable(ピナブル)とは?
pinableは、スマートフォンアプリに実装されたSDK(ソフトウェア開発キット)とビーコンを活用した広告配信サービスです。
店舗や商業施設、交通インフラなどに設置されたビーコンが発する電波をスマートフォンアプリが受信することで、ユーザーの正確な位置情報(屋内測位に強み)とオフラインでの行動履歴を検知します。
このデータを基に、リアルタイムでユーザーにマッチした位置情報ターゲティング広告(クーポン配信など)を行うことが可能です。
設立の背景とロケーションマインドとのシナジー
ロケーションマインドがこれまでGPSデータを用いて国家プロジェクトや観光分野でサービスを提供してきたのに対し、アドバタイズメントマインドはSDKとビーコンを通じて自ら位置情報を取得し、広告事業を展開することで収益の安定化を目指しています。
ロケーションマインドが持つマクロな人流分析データと、アドバタイズメントマインドが持つミクロな屋内測位・クーポン配信技術が融合することで、より精度の高いサービス提供が可能になります。
成功事例と今後の展望
成功事例としては、店舗内でのタイミングに合わせたクーポン配信や、駅などの交通インフラと連携した周辺店舗への送客などが挙げられます。ビーコンの特性を活かし、GPSでは取得できない屋内での高精度な位置情報検知が強みです。また、時間帯や配信頻度を設定することで、タイムセールなどの施策も可能です。
今後の展望として、アドバタイズメントマインドはロケーションマインドグループ全体とのシナジーを最大限に発揮することを目指しています。特に、ロケーションマインドが持つAI解析技術と、今年5月に買収した米国企業「Irys, Inc.」が保有するGPSビッグデータを活用し、マクロからミクロまで一気通貫した位置情報サービスを提供していく方針です。
◾️まとめ
アドバタイズメントマインドは、ロケーションマインドグループの強みであるマクロな人流分析と、pinableのミクロな屋内測位・ターゲティング技術を組み合わせることで、精度の高い位置情報広告を提供しています。
設立間もないながらも、ビーコン設置数5万台を超える実績と、AI、海外企業との連携による今後の事業拡大に大きな期待が寄せられます。
ユーザー体験の向上と、新たな位置情報社会の創造に向けた彼らの挑戦から目が離せません。