2025年6月23日配信
Linkit Maps - 屋外の位置情報を共有してチームでコミュニケーション
小松田薫 ( IoT開発本部サービス開発部長)
吉田 真季 (Linkit カスタマーサクセス担当)
(所属や役職は配信当時の情報となります)
株式会社アクセスから小松田氏と吉田氏をゲストに迎え、同社が提供する位置情報活用サービス「Linkit Maps」について深掘りしました。株式会社アクセスは1984年創業のソフトウェア開発会社で、組み込み製品向けのネットワークソフトウェアを中心に事業を展開。携帯電話、テレビ、ゲーム機、カーナビなど多様な機器にブラウザを提供してきました。近年ではIoT分野にも注力し、特に位置情報とコミュニケーションを組み合わせたサービスを提供しています。
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アクセスの歴史とIoT事業への展開
株式会社アクセスは、創業以来、主に家電などのコンシューマー向け組み込みソフトウェア開発で実績を積んできました。ニッチな市場からスタートし、競合の少ない分野でトップを目指すという戦略が功を奏し、今日の基盤を築きました。
IoT事業への本格的な取り組みは2010年代に入ってからです。以前からデバイスをインターネットに接続する技術に取り組んでいたため、IoTという概念が普及する前からその基盤となる技術を培っていました。クラウドとスマートフォンが登場し、デバイスとクラウドを繋ぐことがIoTと呼ばれるようになった後、同社は長年の経験を活かし、この分野で存在感を示しています。
現場のリアルタイム把握とコミュニケーションを可能にする「Linkit Maps」
Linkit Mapsは、現場作業員の位置情報と状況をリアルタイムで把握・共有できるサービスです。スマートフォンのGPSや専用GPSトラッカーを活用し、現場の現在地を地図上で一元管理できます。さらに、チャット機能も備えており、位置情報を起点としたスムーズなコミュニケーションを実現します。
・主な導入事例
インフラ設備系保守企業: 定期点検や保守作業の効率化、安全管理に利用。
運送・配送業務: 配達状況のリアルタイム把握とルート最適化。
報道関係者: 現場の状況共有と安全確保。
・導入目的
主な目的は、安全管理と業務効率化です。災害時や危険な現場での作業員の安全確保はもちろん、日常業務においても、現場に出て作業するスタッフの現在地を共有することで、効率的な業務アサインを可能にします。
・プライバシーへの配慮
従業員のプライバシー保護にも配慮しており、位置情報のオンオフを自動設定する機能が搭載されています。これにより、業務時間のみ位置情報を共有し、プライベートな時間は共有されないように運用できます。従業員個人の同意に基づいて利用され、会社側が強制的に位置情報をオンにすることはできません。
「Linkit Maps」の強みと今後の展望
・競合優位性
Linkit Mapsの最大の強みは、コミュニケーションと位置情報が一体化している点です。位置情報を確認するだけでなく、その情報に基づいてチャットで連携し、業務を円滑に進めることができます。また、地図上に何十万件もの情報を登録・集約できる「タススポット」機能も特徴です。これは、点検済み箇所のプロットなど、各企業が必要とする情報をスムーズに地図上で管理することを可能にします。
・リーズナブルな価格設定
月額1IDあたり550円(税込)という手頃な価格設定も強みの一つです。最低10IDから導入可能で、チャット機能も含まれているため、多くの現場作業員が利用する企業にとって導入しやすいサービスとなっています。
今後の展望
今後は、位置情報とコミュニケーションに限らず、より多くのサービスを展開し、現場の業務効率化を支援していく予定です。また、蓄積されたデータをAIで分析し、その結果を顧客にフィードバックすることで、さらなる業務効率化を目指しています。気象情報などのオプションも提供しており、企業ごとのニーズに合わせたカスタマイズも可能です。
Linkit Mapsは、現場作業の安全性向上と業務効率化に貢献する強力なツールとして、今後も進化を続けていくでしょう。
◾️まとめ
株式会社アクセスの「Linkit Maps」は、現場作業員の位置情報をリアルタイムで共有し、それに基づいた円滑なコミュニケーションを可能にする画期的なサービスです。スマートフォンアプリを通じて、安全管理と業務効率化を両立させ、インフラ保守、運送、報道など多様な業界で活用されています。
特に、位置情報とチャット機能が一体化している点や、数十万件もの情報を地図上に集約・管理できる「タススポット」機能は、他社サービスとの大きな差別化要因となっています。また、月額550円(税込)というリーズナブルな価格設定も、多くの企業にとって導入しやすいポイントです。
プライバシーにも配慮し、位置情報のオンオフ設定機能を提供することで、従業員の納得を得ながら運用できる体制を整えています。今後は、蓄積されたデータをAIで分析し、業務効率化に役立てるなど、さらなるサービス展開を目指しています。
「Linkit Maps」は、現場の課題を解決し、よりスムーズで安全な業務遂行を支援する強力なツールとして、今後ますます注目されるでしょう。